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Fate/side story
フェイトsidestory螺湮(ライン)
グレーゾーンの魔術



 蒔寺が【魔法カバラー入門】を開いて俺に話題の矛先を向けた。
「衛宮なら、この〈本〉みたいな秘密結社とか魔術スクールとか知ってそうだって由紀っちが言ってたけど、どうよ?」
「あ、何となくだから本気にしないでね?」と三枝が言った。
「由紀香の言うとおりだが蒔の字だけが本気らしいな」と氷室が言った。
 三枝の場合、霊体化していたアサシンを無自覚に霊視したりと、仙術で見鬼とカテゴライズされる才能の持ち主だ。
 普段から気配を誤魔化している遠坂と違って俺の場合、魔力が素で漏洩しているから看破されかけているらしい。
 素人オカルトマニアがコックリさんなど手慰みの魔術儀式を試すと、そこらの浮遊霊や自縛霊などの低級霊が寄って来て怪異が起こる可能性もある。
 遠坂も別件で忙しいから俺が対処すべきだろう。
 図書室の魔術書なら遠坂がチェック済みだし初歩でしかないグレーゾーンの魔術なら、魔術の隠匿を使命とする魔術協会もヒマじゃないからセーフだ。
 遠坂の言うとおりならば最低でも魔力だけで割れたガラスの修復が可能なレベルで真っ当な魔術流派の入門が許されるという。
 俺も破裂したサッカーボールを変化魔術で復元した。
 【魔法カバラー入門】をざっと読んでみたが、この程度なら教えても構わないだろう。
「この【魔法カバラー入門】に記述されている程度なら俺も試したから少しだけ教えようか」
「マジで?」と蒔寺が言った。
「ええ? 衛宮くんて魔法使いさんだったの?」と三枝が言った。
「微妙に話題がずらされているようだが」と氷室が言った。
 秘密結社とか魔術スクールなどの組織という話題から、単なる技術論に誘導したのだが氷室に気付かれた。
 遠坂が魔術協会に所属しているが、そこまで明かせないのだ。
 少々強引に話を続けよう。